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先輩ダンサーに聞く!就活成功プロセス ~引退後の進め方編~ 東北大学WHO 井上明日美さん


はじめに...

「さまざまなインターンに参加してみたもののなぜか腑に落ちない」「自分の行きたい企業の選考ではなぜか落ちてしまう」そんな経験をしている就活生は少なくはないのでしょうか?
本稿ではそんな経験をした23卒の先輩が”納得内定”に向けてどう挽回したのかを紐解いていきます。

<井上さんのプロフィール>

(写真右)

井上明日美さん
東北大学文学部4年
東北大学WHOにて2,3年次に副代表を務める
4年夏にインターネット広告代理店に内定

目次

井上明日美さんってどんな人?

まずはじめに自己紹介をお願いします!
井上明日美です!東北大学のWHOというサークルに所属しています。ジャンルはHIPHOPです。また、2年と3年の時に副代表を務めていました。例年は任期が一年なんですけどコロナの影響で伸びてしまって、特例で2年間やっていました。

学年ごとに代表とか副代表が変わるんですね!?
はい、東北は東京とかと違って2年生とかがサークルの代表を務めたりするんですよ。また引退制度もなくて、普通に大学院に行ってる先輩とかも混ざって踊ってたりしますし、学年関係なく活動していますね。

なるほど!ってことは就活中もがっつりサークルにて活動していたということですか??
就活中がっつりやってたかっていうと微妙ですけど、一応3年の時の学祭には出てましたね。4年の前半はあんまり参加してなかったですけど(笑)

時間をうまく使い分けながら就活にもサークルにも取り組んでいたんですね!ところで井上さんは周りからはどんな人だと言われることが多いですか?
一つ言われていたのは 「輪を繋ぎ止める人」 ですかね。基本的に副代表をやっていて、みんなの意見をまとめる役割を担っていました。代表がしっかりと自分の意見を打ち出せるタイプの人だったので、そういうところに対してみんなが持っている疑問や不満を聞いたりしていました。

多くの人と関わって、みんなをまとめたり場を丸くするような役割をしていたのですね。そんな井上さんの就活はどのようなものだったのでしょうか?
正直苦労しました。結果的に 納得内定 を獲得できたのですが、 自分なりの答えを探しながら行ったり来たり するような就活でした。

就活始めたての頃 - がむしゃらに参加したインターン

どのようなきっかけで就活を始めたのですか?
就活について最初に意識し始めたのは3年の4月くらいでした。一個上の就活団体に所属していたサークルの先輩に「出だし早い方がいいよ」と話を持ちかけられたのが就活について最初に考えるきっかけでした。でも実際に動き始めたのは夏頃からです。

最初にどのようなアクションを起こしたのですか?
「とりあえずインターンに行った方がいいかな」って思っていたので、なんとなく自己分析とかをしながら選考がある夏インターンにエントリーして、実際に参加していました。

参加した企業の業界は、やはり現在の内定先でもある広告業界などでしたか?
いいえ、最初のうちは業界を絞っていませんでした!自分にあっている企業との出会いを探すために、まずは色々な企業との接触を増やして選択肢を広げたいなって思ったんです。でもそこから何かに繋がるっていうわけでもなくて、選考やインターンに参加したことで「私就活頑張っているな」っていう実感を得ることができた程度に終わってしまいました。

逆にいうと色々見ていたからこそ、最終的に業界を絞ることができたっていうのはありそうですね
確かにそれはそうですね。 さまざまな業界のインターンに参加したことで、企業研究を実際に肌で感じながらできた のはよかった点かもしれません。

ターニングポイント1 - 他人目線からの自己分析

ところで、夏頃は自己分析をどのようにやっていたのですか?
その頃は自分一人でやっていて、今振り返ってみると本質的な自己分析というのは全くできていなかったなと思います。

「本質的な自己分析ができていなかった」とはどういうことでしょうか?
自己分析って自分とあっている企業を見つけるためにやるもの だと思うんです。でも最初の頃は自分の ”強みを知るだけ” のような自己分析をしていました。しかも一人でやっていたのでどうしても 思い込みだけで「自分はこうだ」って決めつけていた 部分がありました。
でも秋頃にダンキャリでキャリア面談を組んでもらい、自己分析から企業分析まで一緒にやってもらったことで「こういう働き方が向いてるんだ」「実は自分ってこういう人間なんだ」というように 自分に合った働き方や、自分では気づいていなかった一面に気づかされた ことは何回もありました。

確かに自分一人でやっていると、どうしても固定概念に縛られてしまいますよね。
本当にそう思います。しかも、やはり就活を一人でやるとどうしても中弛みしてしまうというか、めんどくさいっていうマインドになりがちだと思うんですよ。 定期的に面談を組んでもらったことでお尻叩きをしてもらう っていうか、そこで就活モチベを取り戻すみたいなこともしてました(笑)

キャリア面談ってそういう側面もありますよね(笑)ところで、具体的に面談ではどのような気づきがありましたか?
実は私、ずっと出版業界に興味を持っていたんです。だから出版業界と自分の相性とかを見てもらいつつ、他の業界も向いているのではないかというのを自己分析をやりながら一緒に見つけていくような感じでした。例えば自分の特長である「責任感がある」ということ一つとってみても、「組織に貢献したい」という思いに突き動かされてるからこそだと指摘していただいて初めて気づきました。また他にも「0→1よりも1→100」や「世界を変えたい<身の回りをより良くしたい」など、、。自分のインサイトにたくさん気付かされることがあり、「それって他の業界でも実現できるのではないかな」と感じるようになりました。思い込みだけで自分の将来の可能性を狭めてしまうと、もし「自分が合っている」と思い込んでたところが実際は合っていなかった時大変ですからね。さらに 自分がより活躍できる仕事を見落としてしまうのもとてももったいない ことだと思いますし!

やはり客観的目線というものは自己分析や企業研究をする上で重要になりそうですね。ところで、出版業界に興味を持っていたのですね!
はい。ずっと出版業界への思いを抱えながらも、夏にいろんな業界のインターンに参加していました。実際に本選考も受けたのですが、、、

ターニングポイント2 - 挫折の冬

実際に選考にも参加していたのですね!ということは同時並行で出版業界を見ていたのですね。
そうですね。これまで色々インターンなどに参加して様々な業界を見てきたり、自己分析/企業分析を進める中で、「やっぱり出版がいいな」っていうのが心の隅にあって、冬ごろからは出版業界メインで就活を進めていました。

そうなんですね。ちなみに井上さんが出版社に行きたかった理由はどのようなものでしたか?
小さい頃から結構本を読むのが好きで、漠然と「小説に関わりたい」という思いから、編集者として小説家を支えたいということを考えていました。明確に「この作者のもとでこんなことをしたい」みたいなのはなく、純粋に本を読むのが好きだったから「本作りを支えられたらいいなぁ」っていう感じで出版社に行きたいと思っていました。

こんなことをいきなり聞くのは酷かもしれませんが、選考ってどうだったんですか、、?
結果的には出版業界は書類選考で落ちてしまうことばっかりで、完敗という感じでした。
自分が選考を受けていく中で感じたのは 「自分は出版業界に”なんとなく”でしかいきたくない」 のではないかということでした。他の出版志望の就活生と交流する機会があったときに、「こういう記事が好きでこういうことをやりたいんです」とか「この漫画の先生に就きたい」とか「こういう作家さんを編集として支えたい」とか本当に明確なビジョンを持っている子が多い中私はそういうのがなくて。そこでもう負けてるなっていうのを感じてしまいました。

そうだったんですね、、。ちなみに出版業界への思いって井上さんの自己分析と繋がっていましたか?
今思えば一部分しかつながりしかなかったかなって思います(笑)人を支えることは得意分野なので、そういった部分は編集の仕事には向いていると思っていたんですけど、実際に出版業界で編集の仕事をされている方に話を聞いた時に「編集には支える役割もあるけど、作家さんが迷ってたりした時に自分から引っ張らないといけないよ」って言われたんです。その話を聞いた時に衝撃を受けました。 実際に働いている人に話を聞くことで今まで自分が意識していなかった部分が見えてきて 、「出版業界での仕事って本当に自分がやりたいことなのかな」と考えるようになりました。

実際に話を聞いて業界理解を深めていくうちに、自分の認識とずれがあるかもしれないということに気づかれたんですね。それに気づいたのって冬くらいですか?
いや、もうそれが選考始まってた3月くらいの話です。

本選考がもうがっつり始まってる時期だったんですね。そこからどのような行動に移したのでしょうか?
出版社で働くOBの方と喋っていた時に「あなたは本を読むのが好きで出版業界に行きたいと思ってるんだよね?確かにその本を作る部分に関わるのもいいけど、 『自分の好きなものを広めたい』っていう意識もあるんじゃないかな。 だから広告とかプロモーションに目を向けて見るのはどう?」って言われたんです。その時ハッとさせられたと同時に自分の中でも腑に落ちる部分があったので、広告業界を見るようになりました。

やっぱり客観的な目線からの意見を聞くことで気づくことがあったんですね。広告業界の企業も結構受けてたんですか?
手当たり次第受けようと思ってたんですけど、広告にシフトしたのが3月中旬とかで締め切ってしまった企業も多かったんです。募集していてもESの締め切りが迫っているところばかりで一気にそんなに手をつけることができなかったので、そんなにたくさんの企業を受けたっていうわけではないです。

確かにそのくらいの時期は締め切り多いですよね。ギリギリに方向転換して、色々やることが多くて大変だったと思うのですが、広告業界の選考はどうでしたか?
広告業界の方が出版の時よりも選考がやりやすかった 印象があります。出版業界の選考って自分のパーソナリティを見てもらえるっていうよりは本に対する熱量が重要視されていて、多少選考のやりづらさを感じていました。一方で広告は自分の気持ちとか性格とか内面の部分を重視した選考をする企業が多くて、選考がスイスイ進んで内定を獲得できました。特に内定先の企業は人柄を本当に重視していました。自分の性格的にも仲間との関係性を大切にしているので、結構あっているなと感じました。

特に現在の内定先の企業を選んだ決め手ってありますか?
一応他にも内定もらっている企業もあったんですけど、やはり自分のことをすごいよく見てくれているというのを感じたのがその企業でした。選考だったり内定後の面談でも自分の内面や適性をしっかりみてもらってると感じたので、 「ここだったら仕事内容が辛いと感じる時でも、人間的に楽しいから乗り越えられるんじゃないか」 と思ったので選びました。

「人間性」を一貫してすごく大切にされてそうなことが伝わりました。ちなみに先ほど出版業界と自己分析はあまり結びついてなかったとおっしゃっていましたが、現在内定をもらっている企業とは結びついていましたか?
はい。先ほどの章でお話しした他人目線からの自己分析などを元に、自己分析と企業を繋げることができました。わかりやすくまとめると、自己分析をしていく中で自分のコアとなるエピソードとして、

① サークルの副代表としてみんなの意見をまとめて人と人を繋ぐ
② サークルの副代表としてメンバーのサポート役となる
③ 自分の好きな本やダンスのレッスンなど、昔から自分が良いと思ったものは人によくお薦めしていた

以上の三つが自分をよく表していると感じました。これらをを抽象化したときに

①⇒ 誰も嫌な思いをしないようにみんなの気持ちを大切にしたい
①②⇒ チームワークを大切にしている
②⇒ 身の回りの人のサポート役となることが好き
③⇒ 良いものの魅力を知ってもらうことを通じて、誰かに貢献したい

以上4つの自分像が見えてきました。
そこから就活の軸を

  • 一人一人の性格を重視してくれることで自分の介在価値を発揮できるような企業
  • チームワークを大切にしている企業
  • 良いものを「広める」ことで、周囲の人に貢献できるような企業(1→100の価値を作る)

以上の三つに絞りました。その結果、現在内定をいただいている企業に結びつきました。
図式化すると以下のようになります。

このようにして自己分析と企業がしっかりと結びついていたからこそ、納得内定を獲得することができたのではないかと思っています。

全体を通して

全体的にお話を聞いてみて、”気づき”が重要な就活だったような印象を受けました。
そうですね。 客観的な意見を聞いて初めて”気づき”を得ることができて、それを実際に行動に移せたから結果的にいい方向に繋がるきっかけになった のかなと思います。

自己分析とかもある程度突き詰めて行っていたにもかかわらず、やはり耳で聞いて肌で感じないとわかりかねるところって大きいんですね。
やっぱりOB訪問などを通じて人と話すっていうのはめちゃくちゃ大事だなっていうのを3月くらいに気付かされましたね。本当に気づきが多すぎました。特に広告とかは時間がなさすぎてほとんど不可能だったので、できるだけ早くいろんな人に話を聞いて見ることは大事だと思いますね。

直接コミュニケーションを取ることで生きた情報を得ることが鍵になりそうですね。
その上で、毎回事前に聞いておくことを用意していたのか、特に準備はせずにラフな形でコミュニケーションを取ることで情報を得ていたのかどっちが近かったですか?
どちらかと言えば後者ですね。自分の業界研究がフワッとしていたのもあって、このポイントをめちゃくちゃ聞こうっていうのはあまりなかったです。ラフな感じで仕事内容とかの話をしながら、 自分が働いたらどういう感じになるかイメージをしながら しゃべったりしていました。

働くイメージをするのってすごく大切なことである一方ですごく難しいことでもあるような気がします。その時に工夫してたことってあったりしますか?
行動面でも心の面でも、社員さんのより具体的に働いている様子が想像できるように意識して聞いていました。例えば1日のスケジュールとか、どんなことを意識して働いているかとか。そうすることで自分の行動パターンとどのくらい近いかっていうことを考えることができるので、自分が仕事しているところのイメージもつきやすいですし、自分との親和性の確認しやすかったかなって思います。

なるほど〜。ある意味そういうところでも自分を客観視しながら理解を深められたことで、方向転換を決意して見事に納得内定を得ることができたんですね。
そうですね。自分一人でやる業界研究には限界があると実感しました。
ですが、実際に社員の方と話すことで具体的な働き方をイメージできたから「違うかもな」って気づくことができたと思います。

井上さんからのメッセージ

自分が就活を通して感じたこととしては、 一人で就活はできない ということです。
周囲の先輩や社会人の方とか、一緒に頑張ってくれる友達とか、 第三者の意見を取り入れながら進めることが大切 だと感じました。一人で机に向き合っているとどうしても前に進めない時があると思うんですけど、客観的な意見やアドバイスを受けながら進めることで自分は前進することができたと思います。広告業界で選考がすんなり進んだのも、社会人の方からアドバイスをいただいたり、友達とESを添削しあったりしていたからだと今になって感じます。
また 「誰かと一緒に頑張っている」という事実が自分を奮い立たせるきっかけになる と思います。正直私自身、最初の頃はOB訪問に苦手意識を持っていて気が進まなかったんですけど「友達が一緒に頑張ってるから私も頑張ろう」と思えたことで積極的にアクションを起こすことができました。

もう一つは 少しでも早い行動 が大切だと感じました。就活を進めていく中で「こんなこともやりたい」「こんなこともしなきゃ」という気づきが得られたとしても、締め切り間近だったりすぎてしまっていては意味がありません。少しでも早い行動が自分の就活ステップをより前に進めることができ、納得内定に近づけることができると思います。
ここから就活が本格化して皆さん大変だと思いますが、頑張ってください!!

まとめ

  1. 一人での自己分析や企業研究は限界がある
  2. 客観的目線 からの意見を受け入れてみることが思わぬ出会いにつながるかも!
  3. その上で 自己分析の結果と企業が一貫 して繋がっていることが重要
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