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ダンスのガクチカはどう深掘られる? 先輩ダンサー面接体験記 -安江祐季奈さん(早稲田大学SesSion)-


-プロフィール-

名前:安江祐季奈さん
サークル名:早稲田大学SesSion
大学/学部:明治大学文学部心理社会学科
ジャンル:Lock
役職:公演制作、広報
内定先:総合広告代理店

安江さんについて

自己紹介をお願いします!
早稲田大学SesSionの安江祐季奈です!サークル時代は公演制作係と広報係を兼任していました。また就活は「誰かの態度変容を起こしたい」という思いから広告業界を中心に行なっていました。紆余曲折ありながらも最終的に4年生の8月に行きたかった総合広告代理店から内定をいただくことが出来ました。よろしくお願いします。

ガクチカの紹介

では、早速ですが就活当時に使用していたガクチカについて教えてください!
公演統括としてチームを活性化させて、公演を成功させた話をしていました!

なぜこのテーマを選択したのですか?
人生の中で一番主体的に取り組んだチャレンジングなチームでの経験だと思っているからです。他にもダンスの全国大会で賞を取るなど大きな結果を出した経験もありますが、公演制作のエピソードの方が自分らしさが表れていると思ったので選びました。

このガクチカを通してどのようなことをアピールしようと考えてましたか?
いっぱいありますが、行動力、主体性、責任感、問題解決能力、協調性、素直さ、(生活者視点)などです

なぜその一面をアピールしようと思ったのですか
一つ目は、広告業界を受けていたからです。一人でやる仕事というよりは、チームで一丸となって課題を抽出するところからやる仕事だから、このような一面を見せることで 「広告業界に向いてそう」と思わせたかった です。
二つ目に、自分の頑張りが裏目に出てしまったみたいなことを話すことで、 超頑張り屋さん って思われたかったです。その上で自分の失敗に気づくことができ、かつそれを改善する努力ができる人であるということを見せつけたかったっていうのもあります。
最後に面接の時に 深掘りできそうなフック をたくさん作りたいのと同時に、自分だけの 独自のエピソード にしたかったので、さまざまな自分に関する要素をばら撒きました。

面接での深掘りに対してどう説明したか

それでは、実際にこのガクチカをお話ししたときに、面接官よりどのような質問や深掘りがあったか教えてください!
はい!わかりました!

▼ 経験を問う質問

挫折経験
Q.一番しんどいと思った時はどのような時ですか?
A.自分の頑張りが空回りしてた時です。

Q.どうして乗り越えられたのですか?
A.仲間との信頼関係があったからです。また、「これさえ乗り越えられればきっとみんなの笑顔を作ることができる」という希望感を忘れなかったからだと思います。

困難だったこと
Q.一番難しかったことはなんですか?
A.統括チームの部門間の連携です。随時お互いの進捗を共有しあってないと、認識のずれが起こってコミュニケーションが円滑に進まなかったり、会議の時間がロスしてしまったりして大変でした。

Q.それをどうやって解決しましたか?
A.週に一度は必ず定例会を設けるようにルールを作りました。また自らが些細なことでもしっかりチーム全体への共有を怠らないことで発言しやすい空気を作りました。

▼ 動機を問う質問

そのガクチカのエピソードの事柄に取り組み始めたきっかけ
Q.どうしてそんな性格なのに公演統括やろうと思いましたか?
A.一年生の頃にその公演に参加して「学生なのにこんなクオリティ高い公演を作ることができるなんて、、、」と衝撃を受け、自分もこんな公演を作ってみたいという思いを昔から抱えていました。またこれから社会に出る上で「こんな自分のままでいいのか」「やりたいことを自分の手で実現できないまま大人になってもいいのか」と思ったので腹を括って統括に応募しました。
《ポイント》ここで自分の能動的な部分をアピールしていました!

役職就任の理由や経緯
Q.どうやって決めたのですか?
A.希望性でした。エントリーシートのようなものを書いて幹部が選考しました。

アクションのきっかけ
Q.「マインドを変えた」と言っていますが、変えようと思ったきっかけはなんですか?
A.現場の違和感と仲間のさりげない一言です。私が何か発信した時も反応が悪かったり会議の参加率も下がったりしていました。しまいにはチームメンバーに「ゆきな頑張りすぎじゃない?」と言われてハッとしました。このままじゃいけないと思って自分のマインドを変えないといけないと思いました。

▼ 思考力や論理性を測る質問

Q.自分がいなかったらどうなってたと思いますか?
A.部門間の連帯があまりできず、今完成されているものに比べてチグハグな内容になっていたと思います。

Q.後悔はありますか?
A.コロナの影響で公演を延期したことです。それで公演に出ることができないまま引退になってしまったサークル員を出してしまいました。それが「出る人にとって満足度の高い公演」だったのかとモヤモヤしています。
《ポイント》あえてここでチーム内での話でなく公演に出てくれる人のことを話して、自分の中で最も大事にしていることは出てくれる人(=自分が何かを働きかけた、その先にいる人)であるということをアピールしました!

Q.その頃に戻れるならどうする?
A.もっと早くからチームのメンバーの声や違和感を察知しようとするなど、アンテナをもっと張ります。そのことでさらに細部までこだわったクオリティの高い公演ができたと思います。

▼ 説明を目的とした質問

目標の詳細
Q1.「見る人出る人両者にとって満足度の高い公演」とは具体的にどういうことですか?
A1.ダンスを知らない人でも楽しめる内容で、その上で出演者が「この公演に参加してよかった」と思えるような公演です。
Q2.どうやって実現しましたか?
A2.前者は、公演をドラマのストーリー仕立てで行うことで、よりダンスの表現をわかりやすく、誰にでも没入考えられるように工夫しました。またその没入感から抜け出させないためにも、ストーリーやダンスその他の演出の一貫性をかなり意識したことでいわゆる「ツッコミどころ」「違和感」を徹底的に排除しました。
後者は今までの公演で「公演作ってる人が何やってるかよくわかんない」「公演自体のことをそもそもよくわかってない」という声を聞いたことがあったので、SNS係として内部インスタを開設し、公演制作の進捗やお楽しみコンテンツを制作し、発信しました。また、ドラマのエキストラにサークル員を起用するなど自分を公演を作る一員であるという実感を与えるための工夫も行いました。
Q3.それぞれ反響はありましたか?
A3.「ダンスのことを知らなくても楽しめた」というお客さんの声をいただいたり「以前よりも公演にコミットできて楽しい」というサークル員の声ももらえました。
《ポイント》ガクチカの本文内に「見る人出る人両者にとって満足度の高い公演」のように、具体的だけど詳しくは書かない部分を設けて、面接での深掘りポイントをつくりました。実際にここはよく突っ込まれましたがしっかり答えられるようにしていたため問題ありませんでした。

手段や施策の詳細
Q.相手への役割はどのように与えていましたか?
A.統括チームの中でさらに部門が分かれていたので、「これはこの部門がやった方が、ここに直接繋がるからいいのではないか」というようにそれぞれの役割が最大化できるように配分を考え声をかけてみました。その上で、手が空いていそうな人にも積極的に声をかけました。みんなが同じような熱量と努力量で同じ方向を向けるように意識しました。

Q1.あなたとリーダーの違いはなんですか?
A1.リーダーは前に立って引っ張る役割、私はチームの熱量の底上げを行う役割を担っていたと思いました。
Q2.それはなんで重要なのですか?
A2.チーム全員の熱量が揃った時にこそ全員が同じ方向を向くことができ、それが成果を出すためには必要だと思うからです。
Q3.その根拠はありますか?
A3.高校ダンス部時代、高校史上初めて全国大会で賞を取った経験で感じました。その時初めてチーム全員が同じ方向を向いていると感じることができ、その時にチームの力を最大化できることを感じました。全員が熱量を持って何かを達成することに意味があると思います。
Q4.例えばどのような時に役立ちますか?
A4.熱量が高く向いている方向が同じであれば、まずそれぞれが目標にむかって全力投球することができ、さらに全員が本気であるため、本音でぶつかり合うことができ高め合うことができると思います。

▼ パーソナリティを問う質問

自己分析(メタ認知)
Q.この経験から感じた、自分の長所はなんですか?
A.責任感と徹底的にこだわる力があることです。

Q1.この経験から感じた、自分の短所はなんですか?
A1.心配性のあまり、人を頼ることができなかったり焦って周りが見えづらくなってしまうことがあることです。
Q2.これらの短所をどう対処していきますか?
A2.心配性は裏を返せば、常に目標を見ていてそれに向かって抜かりなく考える力があるとも取ることができます。これを長所として生かしつつ、チームの人との信頼関係を築くことで自分の心理的な不安を減らしていけたら良いと思います。

Q.なんであなたはそんなに頑張れるのですか?
A.みんなの笑顔を作る瞬間が好きだからです。
《ポイント》この質問は私の心のコアにあるエンジンを問う質問だと思っています。なので私の頑張れる源泉の中でも、より「広告業界に向いていそう」と思われるようなものを選んで回答していました!

他己分析(周囲からの評価や言葉)
Q.みんなからどういう人だといわれた?
A.「普段ホワホワしてるけど本当に頑張り屋さんだね」が一番多いです。

この中でも特に答えに困った質問はどれですか?
基本的に自分の実際の経験ベースのガクチカだったので経験をしっかり振り返りさえできていれば答えられたのですが、一つあるのが、私はリーダーじゃないけどチームを回していくような役割をしたというエピソードだったので 「あなたとリーダーの違いは?」とか「なんでリーダーじゃないの」 などといった質問は答えるのが難しいと思いました。

それを伝えるためにどんな工夫をしましたか?
この経験から学んだチームにおける必要な要素と、自分とリーダーの子の違いを照らし合わせながら徹底的に分析 しました。結論をいうと先ほどのパートにもあるように「リーダーはチームの前に立って引っ張る、私はチームの後ろに立って熱量の底上げを行う」というところに至りました。

特に印象に残る面接経験について

では次に、面接の中でも特に印象に残っているダンサーならではのことをお伺いしたいです!
練習頻度や深夜練のことを伝えるといい意味で結構びっくりされる ことが多かったです。ダンスは一般的に遊びのような感覚があるからなんですかね?そのことに私もびっくりしましたし、こういうリアクションがもらえると知ってから積極的にアピールしていました(笑)

ちなみにダンスの経験を評価してもらえたなと実感したことはありますか?
「最近ダンサーの勢いがすごいんだよね」と言われたことがあります。実際に私のガクチカを伝えると「やっぱりダンサーってすごくいい経験をしてる子が多いんだよな」みたいなことを言われて、 ダンサーであるということ自体がもはやポジティブな評価に繋がりつつある のではないかと感じ始めています(笑)

ありがとうございます!

安江さんから面接のアドバイス

最後に、安江さんからダンサー就活生に向けて『面接対策でこれだけは押さえておくべき!』というアドバイスを3つお願いします!

  1. そのガクチカに関して 「自分がいなかったらどうなっていたんだろう」 ということを考えることで “自分ならでは“の役割 が見えてきます
    面接で、もしくはその前のガクチカを作る段階では自分の役割というものを問われることがかなり多いです。他己分析をしてもらったり、自分と他人を比較しても良いのですが、「自分がいなかった場合」を考えてみると思わぬ自分の側面が見えたりします。逆に「自分がいなかった場合」を考えた時、その結果に変化がなさそうであればエピソード選定を考え直す必要もあると思います。

  2. その時の自分の感情や思いをしっかりと伝える ことで、自分がガクチカに懸けていた情熱を面接官にわかってもらう
    これらを行うことでガクチカのエピソードに深みが出ると思っています。(笑)面接官のかたにも感情移入してもらいやすくなると思いますので、数あるガクチカの中でも印象に残ってもらいやすくなるのではないかと思います。

  3. その時の 具体的な状況や周囲の声などをしっかり伝える ことで面接官がそのエピソードを初めて聞いた時にイメージしやすいようにする
    特にダンスを経験していない面接官に対してダンスのガクチカを話しても、反応があまりよくないなどイマイチピンと来てない場合が多いのではないかと感じました。なのでなるべくわかりやすく具体的に伝えることを心がけていました。

インタビュー、そして貴重なアドバイスをありがとうございました!

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