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ジャンルリーダー・振付師必見!役職別「ガクチカの書き方」#1


はじめに

前提として、

ダンスの経験はそのまま書いても人事には伝わりません。

なぜなら、アルバイトや部活動などと比べて、実際に経験したことがある人が少ないため、イメージしにくく、なおかつ、ダンス経験者であっても言語化することが難しいからです。この記事では、実際の先輩ダンサーのエントリーシートをご紹介しながら、限られた文字数でダンスをガクチカとして書く方法を解説していきます!まだガクチカを書いたことがないという人は、まずはこの記事を参考にして書いてみることから始めましょう!

エピソード選びのポイント

ガクチカは、エントリーシートや面接でよく聞かれる定番の質問ですが、ただ自分の頑張ってきたことを言えばいいわけではありません。ダンスを知らない人事に、自分の経験を明確に伝えるためには、 エピソード選び がポイントとなります。
人事は、頑張った経験の中で、就活生の皆様が どのような考えをもって取り組んだ のか、あるいは その結果 を見るので、その経験が 分かりやすいエピソード を選ぶことが、重要になります。

エピソードを選ぶ前に、まずは頑張った経験を振り返ってみましょう!
サークルによって、役割名は異なりますが、ジャンルリーダー・振付師の主な役割として【ジャンルの雰囲気作り】や【練習の統率】、【ショーケース制作】などが挙げられます。

エピソードとしてよく選ばれるショーケース制作ですが、
頑張ったこととして【曲選び・編集・振り付け・構成】は、 言語化が難しく論理的に伝えられないため、おすすめできません。

例えば、
「私は、30名が参加した作品の振付師を務めました。例年とは違うジャンルの音楽に挑戦しました。結果、いつもとは違う姿を観客に見せることが出来ました。」と話す場合、
「違うジャンルとはどのようなジャンルなのか?」
「いつもとは違う姿ってどのような姿なのか?」
という疑問を人事が抱いてしまいます。また、「挑戦するにあたっての課題」や「どのような工夫をしたのか」、「その経験の何が凄いのか」を、 ダンスをしたことがない人にこの文章で伝えることはできません。

一方で、書類選考を通過したESは 【人に対してアクションを起こした経験】 が書かれたものが多いです。なぜそのようなエピソードが評価されるのかというと、 社会人になっても同じ経験をすることが多いため、イメージがしやすいからです。

例えば、
「個々のモチベーションの向上のために、フィードバック制度を取り入れなどの練習方法の改善を行いました。」と話す場合、
「なぜモチベーションの向上が必要だと考えたのか」
「現状としての課題」
「練習方法の改善によってどのような結果になったのか」を伝えることができるため、 ダンスをしたことがない人にもイメージしてもらいやすいです。
 
このように、ジャンルリーダー・振付師としてのショーケース制作という経験は定量的に表現するのが難しい内容ですが、 【人に対してアクションを起こした経験】 を選べば、 「自分がどのように動いて他人を動かしたのか」「どのような影響を与えたのか」 を伝えられて、 周囲の人に働きかけることができる人だと人事がイメージできる ガクチカを書くことができます!

評価されるガクチカの伝え方

自分のガクチカのエピソードを選んだ上で、続いてはその伝え方を深掘りしていきます。まずは悪い例から見ていきましょう。

ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)で重要となるのは、「目標からの逆算」です。
そのために、まずは次のポイントを意識しながらガクチカを書いてみてください。

目標 → 課題 → 解決策 → 結果

以上の4つの要素を順序立てて記載することで、論理的なガクチカを簡単に書くことができます。この書き方だと、あなたの思考の過程がわかりやすく整理されているため、『あなたの想い』も読み取りやすいです。また、その結果について、成果を数字などを使い、定量的に示すことができると、ダンスに詳しくない人事にもあなたの経験がより伝わりやすい内容にすることができます。

先輩たちのES紹介

  1. 学生時代どのような目標をもって取り組みましたか?

『このサークルで良かった』その言葉を聞くことが私の目標でした。
この想いが強く出た例の一つとして、学校の都合でキャンパスが分断され、活動が衰退した経験があります。元々モチベーションにばらつきのあるサークルだったのですが、このキャンパス分断をきっかけに、より深刻な問題となりました。それはサークルの中心行事である発表会への参加人数が90人程から半分以下にまで減少してしまうほどでした。このままではサークルが存続できなくなってしまう。そう思い、サークルの活性化に取り組みました。その方法として私は例え距離が遠くても来たくなる理由を作ろうとしました。なぜならキャンパス分断前から存在したモチベーションの低い層もこれを機に呼びこめると考えたからです。
不満を知るために参加率が低くなった、またはサークル分断以降に加入したメンバーにヒアリングを行ったところ、『発表会ばかりでモチベーションが湧かない』『同期しか交流できている人がいない』といった不満をもらいました。そこでこれまで以上にダンスに積極的に取り組める目標や上下との交流の機会を増やすことが必要だと思い、以下の二つを行いました。
一つは後輩と踊る機会を増やすこと。
二つ目はダンスを楽しむ角度を増やすこと。
これらのために私は、まず自分自身が積極的な姿勢を見せなければならないと思い、週三日の活動日に必ず参加しました。そして年四回の発表会には必ず後輩と協働してショーを作成しました。また、これまでに無かった即興でダンスを披露し、相手と競うバトルイベントを新たに開催し、約50名に参加をしてもらいました。こうした活動以降、サークルはこれまで以上に活性化し、発表会への参加人数は150名程にまで増加しました。

コメント

  • 質問に対して1文目で手短に回答している点がとても分かりやすい。
  • 目標、当時の課題、それに対する解決策、その結果、の4つの要素が順序立てて記載されている点が良い。
  • 成果も定量的に伝えられているのも良い。
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  1. 学生時代に力を入れたこと

200人規模のダンスサークルの公演で50人の作品の振付師を務めた。私には自分の手がけた作品で見た人を感動させたいという強い思いがあり、そのためには①個人の魅力②全員の一体感、が重要だと考えた。
私は一人一人にモチベーションを持ってダンスに向き合ってもらうことが個人の魅力に繋がると考え、踊りに対して手厚くフィードバックをしたり練習時間外に相談に乗ったりして、常にメンバーのメンタル面を気にかけた。
そして一体感を作るための課題として、人数の多さとコロナ禍の影響による先輩後輩間のコミュニケーション不足があった。私は学年を超えてアドバイスをし合う練習方法を実施し、誰とでも会話をしやすい環境作りをした。
その結果、1人1人のモチベーションが向上し全体の風通しが良くなった。そして1300人を動員した公演において観客アンケートでは全15作品の中で満足度1位を獲得することができた。
この経験から、チームにおけるコミュニケーションの重要性を学んだ。

コメント

  • 情報と話の順序が整理されており、エピソードの全体感がとても掴みやすい。
  • パッと読んでどんなことをやったのか全体的なイメージがすぐに湧いた。
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  1. 学生時代、あなたが一番力を入れたこと(400字)

ダンスサークルの新歓公演に注力した。リーダーとして練習を進めていたが、対面での活動が出来ず、オンラインでの練習に移行した。実際に進めていくと、練習の参加率が悪く、2割程しか参加していなかった。メンバーの士気が低下していると考え、参加しないメンバーに理由を尋ねたところ、上達の実感が湧かないという声が多数挙がった。そこで、一人一人に成長度合いを伝えることが必要だと考えた。具体的には、メンバーに踊った動画を送って貰い、成長した部分に着目して助言した。その結果、メンバーの士気が向上し、最終的に毎回9割以上のメンバーが練習に参加した。これにより、完成度の高い公演を行うことができた。その公演を見た多くの新入生がサークルに興味を持ち、私がサークル内で所属するチームは例年の約3倍の17の新入生を獲得した。この経験から、一人一人が成長を自覚できる環境を作ることで、チームのやる気が向上し、成果に繋がると学んだ。

コメント

  • しっかりと情報が整理され、かつその時の情報に対して的確に施策を考えて行動できているように感じられる。
  • 何よりも、文章として整理されているのでとても読みやすい。
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まとめ

今回は、ジャンルリーダー・振付師のガクチカについて、先輩ダンサーのESを紹介しながら解説しました。実際に先輩ダンサーのガクチカを見ればわかるように、書類選考を通過したESには【人に対してアクションを起こした経験】が多く書かれています。

ジャンルリーダー・振付師という役職は、個人での練習や一人で頭を使う時間も重要だったと思いますが、【人に対してアクションを起こした経験】が必要不可欠だったはずです。ガクチカに何を書けば良いのか悩んだときは、もう一度自分自身のサークル生活を振り返ってみてください。

ダンサーズキャリアではダンサーの就活を応援しています