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ダンスの経験で超難関企業リクルートに内定!飲食店・美容室向けIT新規事業、外資就活ドットコムの経営まで手がけるビジネスマンは元ダンサーだった!


【Interviewee プロフィール】
佐々木 康太朗(ササキ コウタロウ) 早稲田大学大学院理工学研究科情報ネットワーク専攻修了。2006年株式会社リクルート入社、じゃらん・ホットペッパーグルメ・ホットペッパービューティーにて、toB向けの商品企画、開発ディレクション、中長期戦略立案に従事。美容院向けサロン管理システム「サロンボード」初期開発プロジェクトリーダー。その後、POSレジアプリ「Airレジ」事業を6名で立ち上げ、組織マネジメント、プロダクトマネジメントに従事。POSレジアプリ利用店舗数No.1の礎を築く。2017年7月に株式会社ハウテレビジョンに入社、執行役員 Liiga事業本部長、プロダクト本部長、外資就活ドットコム事業本部長を歴任し、2020年4月より取締役就任。

佐々木さんがダンスの経験から得た価値観(スタンス)とは?


佐々木さんは元ダンサーということでしたが、就活ではどんな話をしていたのですか?

佐々木
僕は東京大学ダンスサークルWISHに所属していました。そこで200人規模公演の全体責任者をやっていた話をしましたね。当時は学生が出られるイベントなんて外部のアンダーグラウンドのイベント以外だと公演くらいしかなかったですから、かなり力を入れていました。


今ではサークル内外で学生イベントも増えてきていますが、当時は無かったですもんね。今の学生ダンサーも就活の際に公演の話をする人が多いのですが、佐々木さんはサークルでの経験を通してどのような ”価値観(スタンス)” を伝えていましたか?

佐々木
そうですね、公演を作るうえで、 個別最適 (公演の振付師や各曲の責任者たちの意見)を優先するか、 全体最適 (公演全体のクオリティ)を優先するのかはずっと考えていましたね。


僕はここ4~5年で3,000名ほど就活生ダンサーの面談をしてきましたが20年くらい経った今でもみんなよくそこで揉めてますよ(笑)公演制作の経験は良い経験なのに、佐々木さんの仰る「個別最適」「全体最適」のように就活で伝わりやすい形まで落とし込めてる子は少ないのが現状です…。

佐々木
同じようなテーマで、 『お客さんが見たい公演』 を作るのか、 『自分たちの作りたいもの』 を作るのかは、サークル内でひたすら議論していたので、就活でもお話ししていました。僕は前者を意識して、いかに見に来る人に影響を与えられるか、を重視してマネジメントしてました。あとは、EXILEのバックダンサーもやっていたので、その練習の話でひたすら努力できる(スタンス)ってことは、面接で猛アピールしてました。


前者の価値観を示せたのは大きいですね…商売の基本は「人に喜んでもらって、対価をもらうこと」ですから、面接官からすると売上を上げてくれそうな感じがします。加えて後者では「負荷量の大きい仕事も頑張ってくれそう」とイメージさせることもできますね。

佐々木
そこから見出した、僕の就活の軸は2つあって、

  1. 多くの人を感動させる仕事がしたい(数が多ければ多いほど影響力が強い)
  2. 自分とバイブス・フィーリング(感覚)があったところが良い

という軸で考えていました。その過程で先輩にリクルートを勧められて、一度人事の方と会ってみて、志望するようになりました。

「Airレジ」「サロンボード」を生んだ新規事業の鬼


就活生の子たちで目先の合否も気にする子が多いですが、その後のキャリアが気になるという子もいますよね。ダンサーズキャリアでは「元ダンサーはどんな仕事でポテンシャルを発揮できるのか」も重要なテーマに置いていて、現状の経験やファクトから導き出した仮説は、 「ダンス出身者、新規事業作れる人多い説」 なんですね。
まさに佐々木さんはその中の一人だと思っていますが、リクルート新人時代からの歩みを聞いてもいいですか?

佐々木
最初営業をやってたんですけど、僕はあまり売れなくて。そのような中、エンタメ寄りの事業をやりたいと思っていて、実は僕1年目で 「恋帳」 っていうサービスを作って、 新規事業コンテストで準グランプリ 獲ってるんですよね。


New Ring(リクルート内で行われている新規事業コンテスト)ですよね。僕もリクルートにいたのでわかりますが、一年目準グランプリはすごいですね…。

佐々木
コンテストで勝つとそのまま事業化できるのですが、チームを代表して2名が異動して事業化することになって、僕の異動は叶わず、代わりにじゃらんnetの企画部門に異動することになりました。その後は企画一筋で、ホットペッパーで美容院などの予約管理をサポートする 「SALON BOARD」1 というサービスで社長賞を受賞して、その実績が買われて、以前から考案していた 「Airレジ」2 にやっと取り組めるようになって、4年ほど作ってましたね。今では 35万店舗 で利用されるまで広まりました。


「Airレジ」ってカフェとかでよく見るiPhone、iPadでレジ業務ができるやつですよね。35万店舗への導入は日本の労働効率化にかなり貢献してますね。

日本の最優秀層が利用する”外資就活ドットコム”の裏側を聞く!


大学時代のダンス公演責任者、リクルートで新規事業立ち上げ、そして現在は外資就活ドットコムという東大京大を始め、日本の最優秀層が利用する新卒採用サービスを運営されていると思うのですが、現職はいわゆる“人材業界”ですよね。かなり違う畑に飛び込んだような印象を受けますが、実際働いてみてどうでしょう?

佐々木
「難しい」ですかね。お金儲けをしようと思えばいくらでもできるんですけど、商品が「人」というところで、本当に難しいなと感じています。本当にその人のキャリアを考えるんだったら、 紹介する側とされる側の主観のぶつかり合い だから、正解がないのが本当に難しい。


それはすごく共感できます…。僕も金儲けしたいだけなら、「広告業界志望です!」って子が来た時に、学生の本質をチェックせずに、すぐにその場で「じゃあ広告系の会社を紹介するよ!」と言って広告系の会社を紹介すれば学生も喜びますし説明会に送り込めばお金入りますからね。でも、 就活の本質って「有名な会社に行けばハッピー」ということではない じゃないですか。だから何日も何時間もかけて自己分析のお手伝いからするのですが、そこで主観のぶつかり合いは起きますよね。

佐々木
金儲けしようと思えば、いくらでもできる中で、金儲けが嫌いな僕がインタビュー出てもいいと思うくらいだから、樊さんとかは絶対そういうことはないと思いますが、勘違いがされやすい業界ですよね。


勘違いされること多いですね(泣)。特に学生の志望業界でない企業を紹介すると、ネガキャンされてしまいます…。就活をきちんと理解すれば、新卒時点での志望を業界で絞る理由は、ほとんどの場合無いはずなのですが。日本全国の就活生ダンサーの面談を経験してきて、まだ自己分析もあまり仕上がっていない状態で「○○業界志望です!」ってなぜか凝り固まってる子がかなり多い中で、なるべく本質的な就活をしてほしい一心でお手伝いしているのですが…。

佐々木
逆にマッチングした例でいうと、「当時樊さんにこう言われたから入ったけど違った」みたいにマイナスに思われることもあるだろうね。気持ちはわかるんだけど、実際それを選んだのも 「あなた」 なのに悪いように捉えられてしまうことあるでしょうね(笑)


幸いなことに、僕が紹介した子たちの中でそういう子たちは今のところいないですね。4~5年やってきて100組ほどマッチングしましたが。そういうことがないように、紹介企業の選定もかなり慎重に行っていますし、マッチングの満足度も超気をつけているので。一つの例として僕が紹介した企業に入った子たちで現在社会人の子達は、僕がその企業のオフィスに行くと、仕事中にも関わらず「樊さん!おかげさまで今めちゃくちゃ楽しく仕事してます!」ってみんな挨拶に来てくれるの本当に嬉しいです。僕はそこに人材事業のやりがいを感じます。

ダンキャリの面談を受けてマッチ度の高い企業を紹介してもらおう

外資就活ドットコムの経営者はダンサーズキャリアをどう評価する?


ダンサーズキャリアの第一印象ってどんな感じでした?僕がこのサービスを作って初めてのリリースがFacebookでの投稿だったのですが、佐々木さんも含め誰もお願いしたわけではないのに、30人くらいが勝手にシェアしてくれたんですけど、まさかの全員人材業界の人たちだったんですよね(笑)ぶっちゃけ競合じゃないですか(笑)競合が競合のサイトをシェアするってなかなかありえないことのように思えるのですが、どう思いますか。

佐々木
一部企業は人材紹介という面において言うと、目標立てて利益目的が強い企業もありますよね。必ずしも本人のためではない企業紹介をしている中で、ダンサーズキャリアは ”お金目的じゃない” っていうのが伝わるし、信じられるからじゃないかな?


そう思っていただけるのは有難いです。あくまで僕の視野なんですけど、人材業界で本質的なマッチングをやろうとしてるところって少ないじゃないですか。学生の思考が深まる前に「ディベロッパー志望です!」と言われたらすぐ希望の企業を紹介してお金を稼ぎにいくというか。だからこそ、正義感や本質主義という価値観を共有できる仲間に出会えるのが珍しいんだと思います。そこで心の団結感みたいなものが生まれてるからじゃないかなって思ってます。

佐々木
本当にそこだと思います。人材事業においてユーザーファーストであるかは重要ですね。ダンサーズキャリアの印象でいうと、僕の時代にはダンサー向けの就活サービスなんてなかったので、あったらいいなって思いました。


日本のダンサー就活生って推定6000人でその中でも高学歴に絞ると1500人くらいいます。現在その中の1000人弱が登録していて、 「高学歴ダンサーの3人に2人が利用している」 って状態なんですが、外資就活ドットコムってどれくらいのマーケットなんですかね?

佐々木
少なくてもその10倍くらいですかね。


そうですよね(笑)こんな小さいマーケットで本気になってるから人材業界の人たちからは頭おかしいって言われたりします、褒め言葉として受け取りますが(笑)大学時代の友人で、今外資コンサルとか、外資銀行、外資メーカーのマーケーティングの道に進んだ優秀な人たちから「そんな小さい仕事やるなら、うちにおいでよ!樊くんならもっといい仕事あるでしょう?」とスカウトされることも多いんですが、僕は「ありがたいけど、あえてこの仕事を選ぶことに価値があると思っている」とお断りしています。

ダンス人材はビジネスでどう活きるか?


佐々木さんの学生ダンス時代から今までを振り返ってみましたが、佐々木さんはダンスを頑張っていた人はビジネスの世界ではどう活躍できると思いますか。

佐々木
働いたことないからわからないだろうけど、 ダンス公演作るのって事業とかプロダクト作るのと同じ だと思っています。会社の成長だけ考えていても上手くいかないし、自分とかメンバーのやりたいことを優先しすぎても上手くいかない。 全体最適か個別最最適かっていうのは会社に入っても変わらない なと思っています。


あと公演を作るっていうのは責任者だけじゃなくて役職のついてない子でもなにかしら自分で考えてチームのために動くって経験も貴重で就活で役立つと思います。でもダンスの話はそのまま話しても伝わらないことがよくあって、言語化が苦手な子も多いので就活で面接官になかなかそれを感じ取ってもらえないんですよ。言語化できない子のポテンシャルを見抜ける人事も少ないですしね…。

佐々木
当時の僕も言語化が苦手で、順風満帆に就活っできてたってわけじゃないし、言語化するのに半年くらいかかってますよ…。 ビジネスで必要なスキルはダンスサークルでかなり身につく と思うので、就活で重要なのは 「いろんな人に話を聞きに行って、自ら考え抜くこと」 だと思います。就活って難しいね(笑)


では最後にダンサー就活生に一言お願いします!

佐々木
頑張ってくださぁぁぁあああい!!


【interviewer プロフィール】
樊 旭(ハン アキラ) 1987年12月20日生まれ、福岡県北九州市出身。慶應義塾大学経済学部入学、ストリートダンスサークルRevolveに所属し、ジャンルLOCKのリーダーを務めながらジャンルPOPの立ち上げを兼任。慶應義塾大学の4大ダンスサークル横断のバトルイベントの立ち上げ、日本最大のストリートダンス競技大会Dance@live 2011 RIZE side(大学生部門)にて優勝し日本一となる、など精力的に活動。その後、株式会社リクルートに入社。2年で退職し、ストリートダンサーとして独立。JAPAN DANCE DELIGHT vol.20 FINALIST,JUSTE DEBOUT JAPAN BEST8, World Dance Colosseum BEST16などの好成績を収める。その後、5社起業し、現在は非営利団体一般社団法人東京六大学ストリートダンス連盟/東都大学ストリートダンス連盟の代表理事を務め、ダンサーのための就活支援サイト「ダンサーズキャリア」の立ち上げと運営に従事している。


  1. サロンの予約を24時間受け付けることができ、レジ機能や分析なども可能な業務支援サービス。 https://salonboard.com/

  2. 全国利用店舗数No.1のPOSレジアプリで、会計や売上分析など豊富な機能がある。 https://airregi.jp/

ダンサーズキャリアではダンサーの就活を応援しています